【スタディツアー体験レポート Vol.3】国際教養大学生を迎えた「ネパール地域保健・教育スタディツアー」を実施!
2026年8月、ASHAは国際教養大学の有志団体「つなぎ」のメンバー8名を対象に、ネパールで地域保健・教育スタディツアーを実施しました。今回は、龍野 乃愛さんと渡辺 達也さんの体験レポートをご紹介します!
※ツアー概要や『つなぎ』の紹介はこちらをご覧ください
<目次>
国際教養大学2年 龍野 乃愛(Noa TATSUNO)さん

大学2年生の夏、初めてのネパール渡航で私の視野は大きく広がりました。渡航前に抱いていたネパールへのイメージは、生活に困窮している人が多いというシンプルなものでした。しかし、実際に色々な人と交流する中で、一人ひとりが直面している状況は当たり前に異なり、今までの自分の視点がとても偏っていたことに気付かされました。
何よりも驚かされたのがネパールの人々の温かさで、遠い国から来た知らない学生に対して盛大に歓迎してくださったり、自分たちの文化を共有してくださったりしたことがすごく嬉しかったです。
渡航中、学校でプロジェクトを行うためにリク・タマコシ村に伺った際、学生のお家にホームステイさせていただいたことが印象に残っています。私のホームステイ先は、学校から2時間ほど歩いた山の上にあるお家でした。ホストファミリーは私を本当の家族のように温かく受け入れてくださり、ごはんのおかわりを「プギョ(お腹いっぱい)」と何度も伝えるまで勧めてくださるほどで、そのホスピタリティにたくさん助けられました。帰り際には「またいつでもきてね」と声をかけていただき、胸が熱くなりました。また、近所のお家にお邪魔してお茶をいただいた際は、ネパール語がほとんど話せない私が伝えられたのは「美味しい」の一言だけでしたが、言葉が通じなくても笑顔でコミュニケーションが取れたことがとても嬉しかったです。

ホームステイ以外で特に印象に残っているのは、生まれて3日目の赤ちゃんがいるお家に伺ったことです。前日に見学したリク・タマコシ村で唯一のお産センターで生まれたそうで、ASHAが丁寧に作り上げてきたものが確かに地域に浸透していることを実感しました。薄暗く狭い部屋に大人数で入り、お母さんはベッドで赤ちゃんと横になっていました。説明を聞いている間、赤ちゃんは静かで少し心配になるほどでしたが、みんなで「おめでとうございます」と伝えた瞬間に泣き始め、その声を聞いた途端になぜか涙が溢れそうになりました。

また、コミュニティヘルスワーカー(Community Health Worker: CHW)のウルミラさんが月に一度妊婦さんのお宅を訪問する場に立ち会わせていただいた際、患者さんが「ウルミラさんがいるおかげで安心できる。出産が楽しみ」とおっしゃっていて、地域の中でのCHWの存在の大きさを実感しました。一方で、ウルミラさんが毎日8時間ほど歩いて1人で地区全てを担当していることには衝撃を受けました。
今後は、今回感じた人と人とのつながりを大切にする姿勢を自分の活動にも還元しながら、ASHAの活動を引き続き応援していきたいと思います。
国際教養大学2年 渡辺 達也(Tatsuya WATANABE)さん

私は渡航前、ネパールに対して明確なイメージを持っていませんでした。なんとなく山が多く、そのために医療が届きにくかったり生活が難しい環境にあるのだろう、というイメージだけがありました。実際に行ってみて、高くそびえ立つ山々の絶景とネパールの皆さんが私たちをとても温かく迎え入れてくれたことに感動しました。また、それと同時にネパールで生きる難しさを目の当たりにしました。
私たちは車で8時間走り、リク・タマコシ村まで行きました。その道中ではこれまで経験したことのない険しい道が続き、走るたびに激しい揺れを感じました。村には医療設備の整った病院はなく、近くにメディカルセンターのような施設もありませんでした。何か緊急事態が起きた時にすぐ助けを呼べる日本の安心感とは真逆の環境に、私は少し恐怖を覚えました。

リク・タマコシ村での滞在中は、ホステルを経営している家族の家にホームステイをしました。学校から家に戻るとたくさんの子どもたちが遊びに来て、一緒に折り紙をしたり、バレーボールで遊んだりしました。それから、ホストブラザーと隣の家の少女と一緒に、夜ごはんのダルバートをいただきました。近所の子どもたちの間には垣根がなく、地域コミュニティの繋がりの強さを感じました。
夜は、ホストブラザーと一緒の部屋で寝ましたが、窓が開いていて虫が多く、暑さは扇風機で何とかしのいでいて、眠れるかとても不安でした。ネパールではよくあることとは聞いていたのですが、夜間に停電してしまい、扇風機が止まり、空気がこもって息苦しい部屋の中でしばらく眠ることができませんでした。ベランダに出て風に当たったり、水で濡らしたタオルを首や額においたりして、ようやく眠ることができました。熱中症にならないかが不安で、気持ち悪くなったりもして怖かったです。
翌朝5時半頃に目が覚めると、ホストブラザーと昨日の夜ごはんを一緒に食べた少女がいて、とってもびっくりしました(笑)。朝のお茶を飲んでからは、近所の田んぼや橋を見たりして村を散策しました。子どもたちの友だちの家にお邪魔して、みんなでお茶を飲んだりと、本当に近所で仲が良く素敵なコミュニティだと感じました。

また、実際にASHAのコミュニティヘルスワーカー(Community Health Worker: CHW)さんの活動を身近で見たことで、医療機関やお医者さんへのアクセスが限られている場所でどれほどCHWさんの存在が妊婦さんにとって心強いのかを感じました。出産には常にお母さんと赤ちゃんの命に関わります。しかしネパールの農村部では、距離的・経済的・体力的な制約から、日本のように病院に通って定期検診を受けたり、赤ちゃんの状態を確認したりすることは簡単ではありません。その中で、毎月1度妊婦さんを訪れ、妊婦さんへの問診やアドバイスを通して、妊婦さんに安心を与えながら、命を守ることに直結するCHWさんの活動の意義を実感しました。
どうしたらもっと赤ちゃんが安全に生まれることができて、お母さんが無事に生きていけるのか、それを考え続けてたからこそできたシステムなんだと感じました。一方で、命を守るためにASHAの皆さんやCHWさん個人に多くの負担が集中する中で、どのようにこのシステムを持続可能で、より多くの人へ医療へのアクセスを提供できるのかが課題だと感じました。ASHAのコミュニティヘルスケア分野の活動がネパール全土に広がることで、もっと多くの人の命を守り、健康に生きることにつながり、そのノウハウは別の国でまた多くの人を救うことに繋がる可能性を感じました。
次回はスタディツアー体験レポート Vol.4をお届けします!
ネパール現地を訪れた学生団体「つなぎ」のメンバー8名による体験レポート(全4回)。現地の医療現場で何を感じ、何を学んだのか、それぞれの視点からのリアルな声をお届けしています。
次回は、Vol.4として江口 八重さん/石田 結子さんのレポートを公開予定です。ぜひお楽しみに!
<スタディツアー体験レポート一覧>
スタディツアー体験レポート Vol.2:谷口 穂乃歌さん/磯部 小春さん
スタディツアー体験レポート Vol.3:龍野 乃愛さん/渡辺 達也さん(本記事)
スタディツアー体験レポート Vol.4:江口 八重さん/石田 結子さん
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