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【スタディツアー体験レポート Vol.1】国際教養大学生を迎えた「ネパール地域保健・教育スタディツアー」を実施!​​

6 時間前
読了時間: 7分

2026年8月、ASHAは国際教養大学の有志団体「つなぎ」のメンバー8名を対象に、ネパールで地域保健・教育スタディツアーを実施しました。今回は、兼頭玄さんと清野日彩さんの体験レポートをご紹介します!


<目次>



国際教養大学2年 兼頭 玄(Hajime KANETO)さん

山あいの棚田前で、花を持って自撮りする笑顔の若者6人。ピースや口をすぼめ、緑の景色が広がる。

ぬかるんだ道を車に揺られ、辿り着いたリク・タマコシの山奥の学校。そこで待っていたのは、日本の旗を振って歓迎してくれる大勢の子どもたちだった。暑いお昼前にも関わらず校庭にずらっと列を作り、オレンジ色の花輪と色とりどりの花々を私たちのために抱えて待ってくれていたのだ。ネパールの山奥で、人の「美しさ」を思い出した。


ASHAがネパールで行う医療支援の一つに、コミュニティヘルスワーカー(Community Health Worker: CHW)という雇用の創出と問診アプリの提供がある。CHWの方々は1日8時間も山道を歩き、さまざまな地域の家庭を回り、妊婦さんや生活習慣病の患者さんなどの様子を見る。訪問先では、近所の友人のように日々の雑談をしながら、時間をかけて困りごとや体調の変化を聞いていくという。広い地域を一人で歩いて回るだけで気の遠くなるような業務だが、さらに住民との信頼関係を築いていかなければならないので、そこにかかる時間と努力は想像を絶する。山間部に村落が点在していて、簡単に医療サービスを利用できないネパールの人々にとって、CHWは自分たちの健康を守る、かけがえのない存在と言えるだろう。

青い帽子の少年が前景で笑い、山道を制服姿の子どもたちが歩く。緑の山あいの田舎道。

あるお宅で、CHWのウルミラさんが妊婦さんの診察を行う様子を見学させてもらった。妊婦さんに私は尋ねた。「今は希望が大きいですか、それとも不安ですか。」もうすぐ新しい家族を迎える彼女はすぐに微笑んでこう答えた。「とても楽しみよ。」ネパールの山奥、病院もない、医療の設備や器具もほとんどない場所。私たちにとっては日常生活すら不便に感じてしまうような場所。そんな場所で、新たな生命を温かく迎えようとしている。モノが足りなかったとしても、人が支える。私たちが見失いつつある、「信頼」や「助け合い」という人と人との見えない糸。その繋がりこそが、私たちの未来の希望なのではないか。人間が秘めている力強さを目の当たりにした。


ネパールの人々の朝は早い。ホームステイ先では、皆5時半には起き出して掃除や身支度を始めていた。ベッドから離れられない私を、子どもたちが外へ連れ出した。早朝に山で刈られた青葉をヤギや水牛が食べている。田んぼの畦道を抜け、道端の花を摘む。歩きながら「この草は風邪に効くんだよ」「癌の薬に使われてる草だよ」「オジギソウ、知ってる?」と、色々な植物の葉を千切っては、どこか誇らしげに教えてくれる。身近な暮らしの中に生きる知恵があった。子どもたちが案内してくれたのは、ごうごうと音をたて吊り橋を揺らす川だった。脈々と受け継がれる人と人との絆や暮らし。人間を人間たらしめる温かいものが、私たちの奥底に確かに流れているのを感じた。ネパールの山々を流れるこの大河のように。


教室で、ピンクの制服の児童たちが机を囲み、先生と見守る大人の前で色紙やカードを使って学習している様子。


国際教養大学2年 清野 日彩(Hiiro SEINO)さん

私は今回、ネパールへ渡航する前にタイとインドにそれぞれ3日ほど滞在しました。タイではバンコクの都市部の発展に驚き、インドでは、自分の意見や文化をはっきり表現する力強さを感じました。ネパールはインドと隣接しているため、どこか似ているのではないかと思っていましたが、その印象は空港に降り立ってすぐに変わりました。出会う人々がとても穏やかで、商店の店員さんまで気さくに話しかけてくれ、人との接し方に柔らかさと優しさを強く感じました。


私たちは首都カトマンズから車で8時間以上かけて、ラメチャップ郡のリク・タマコシ村を訪れました。砂利道や泥道は想像以上に険しかった一方、村は山々に囲まれ、すぐそばには川が流れる、とても自然豊かで美しい場所でした。どこか日本の地方にも似ているように感じました。


山あいの緑の斜面に立つ笑顔の犬。竹林の先に、谷底を流れる川と田畑、霧がかかる山々が広がる。

私は学校からさらに1時間半ほど歩いた山の中の家庭にホームステイしました。家はキッチンやトイレなどがそれぞれ別の建物になっており、後からホストブラザーに「お父さんが建てたんだよ」と教えてもらいました。到着して最初にしたのは、ホストブラザーと妹さんと一緒にヒンディー語版の「クレヨンしんちゃん」を見ることでした。ネパールではかなり人気だそうで、日本のアニメがここでも親しまれていることに驚きました。お風呂について尋ねると、大きなバケツに貯めた水で水浴びをすると教えてもらいました。残念ながら肌が弱い私は遠慮しました(笑)。


粗いトタン壁の小屋で、女性が炊事中。床に鍋やバケツ、とうもろこしの籠が並び、かまどの火と煙が立つ】【。

夜は天井に蜘蛛の巣や虫が多く、午前1時頃から約3時間停電し、扇風機も止まってしまったため、ほとんど眠れませんでした。それでも、ホストファミリーは食事を何度もよそってくれたり、扇風機を貸してくれたりと、常に私たちを気にかけてくれました。ネパールでは毎回、苦しくなるほどの量のご飯を振る舞ってくれるのも印象的でした(笑)。翌朝は5時半頃に起き、近くの湧水で顔を洗い、歯を磨き、飲み水を汲みました。その後はホストブラザーの友人の家へ行き、水牛の餌となる草刈りも体験しました。村では多くの家庭が牛やヤギを飼っており、私も搾りたての温かい牛乳を2回ほどいただきました。登校時間までには家の周りの山にも連れて行ってもらい、かなり高いところまで登りました。曇り空でしたが、それでも山々を見渡す景色は本当に綺麗で、今でもよく覚えています。


眼鏡の若者と少年が、緑の山あいの崖で自撮り。下に川と棚田、頭上にケーブルが伸びる晴れた景色。

ASHAのコミュニティヘルスワーカー(Community Health Worker: CHW)の活動を見学したことも、大きな学びになりました。村では医師や医療機関へのアクセスが限られており、CHWが定期的に家庭を訪問しています。ある妊婦さんに「CHWさんをどう思いますか」と他の渡航メンバーが尋ねると、「とても心強く、もう友達のような存在です」と答えてくれました。その言葉から、CHWは単に医療を届けるだけでなく、地域の人々との信頼関係を築きながら健康を支えているのだと実感しました。

渡航前には「ネパールでは物事の進み方が日本より遅い」と聞いたこともありました。しかし実際に現地で生活すると、それを単純に「遅い」と捉えるだけでは見えないものがあると感じました。家族や友人との時間、人とのつながりを大切にする姿を何度も目にしたからです。今回の渡航を通して、医療へのアクセスの不平等について学ぶと同時に、自分とは異なる文化や価値観を、自分の基準だけで判断しないことの大切さも学びました。



次回はスタディツアー体験レポート Vol.2をお届けします!

ネパール現地を訪れた学生団体「つなぎ」のメンバー8名による体験レポート(全4回)。現地の医療現場で何を感じ、何を学んだのか、それぞれの視点からのリアルな声をお届けしています。

次回は、Vol.2として谷口 穂乃歌さん/磯部 小春さんのレポートを公開予定です。ぜひお楽しみに!

<スタディツアー体験レポート一覧>

  1. スタディツアー体験レポート Vol.1:兼頭 玄さん/清野 日彩さん(本記事)

  2. スタディツアー体験レポート Vol.2:谷口 穂乃歌さん/磯部 小春さん

  3. スタディツアー体験レポート Vol.3:龍野 乃愛さん/渡辺 達也さん

  4. スタディツアー体験レポート Vol.4:江口 八重さん/石田 結子さん



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屋外で3人の女性が並び、右の女性が紙を読み上げている。黒いコートとピンクのマフラー、真剣な表情。
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