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2023/04/11

「みてね基金」に採択
本助成金でネパール僻地の現地自走の健康教育事業等を強化します

特定非営利活動法人ASHA(以下ASHA)は、2023年3月、子どもやその家族を取り巻く社会課題の解決に取り組んでいる団体に対する活動資金を提供する「みてね基金」の第三期ステップアップ助成に採択されました。



ASHAは本助成でネパールの僻地の地域保健スタッフ制度創出と健康教育の2事業を強化します。 「みてね基金」第三期 ステップアップ助成:https://fund.mitene.us/n/ncb084d8e9dd4


・ASHAが取り組む社会課題

ネパールの僻地では、必要なタイミングで必要な医療を受けられないまたは処置ができないために健康を損ねる・亡くなるケースが多く、その原因の1つは、山がちな地理的問題で、最寄りの医療機関が徒歩4~10時間という住民も少なくありません。加えて、住民インタビュー調査にて、健康教育や暮らしの中で学ぶ機会、相談できる人や背中を押してくれる人がないために、基本的な健康・医療に関する知識が不足し、自身の健康状態や必要性を判断できていないことがわかっており、学術的にも明らかになっています。(※1)特に、交通手段や金銭を持たない女性や子どもでは顕著であり、山間部では、栄養失調の子どもや妊婦健診未受診者が多数いるのが現状です。

さらに医療機関の医療の質も限定的であり、都市部との格差が拡大しています。一方で、これらの状況を解決するケイパビリティが現地自治体にないことも踏まえ、ASHAは自治体や現地の人々が自らの力でこの課題を持続的に解決できる仕組みを提供します。

※1 参考文献:中村 友香 [2022]『病いの会話 ネパールで糖尿病を共に生きる』、京都大学学術出版会


・ASHAの事業内容

「Basic Health Rights for All どこに生まれても安心して健康に暮らす権利を、みんなに」を理念に、3事業を推進しています。


(1) 地域保健スタッフによる家庭訪問制度創出事業

地理的なアクセスの悪さへの対応として、保健スタッフを地域住民から雇用し、妊婦・子ども・生活習慣病患者への日常的な家庭訪問による健康指導や高リスク者の管理を行っています。また、領域別の問診、リスクが高い可能性のある患者に対するアラートや住民・患者の教育に利用できる動画等の教育コンテンツ、訪問管理ができるアプリ「ASHAConnect」を開発・提供し、現在までに10名のスタッフが800人程度に日々のケアを実施しています。



(2) 学生向け健康教育授業

健康教育を受ける機会がないネパールの僻地における、小・中学生向け健康教育の特別授業の開発・実施をしており、2021年から約400名を対象に健康教育を実施。中学生の日常的な応急処置等での活用実績も出てきました。


(3) 医療機関の情報管理強化・データ利活用事業

医療機関にてカルテが未管理な地域における、カルテの電子化による適切な情報管理と医療の質向上・ニーズ可視化に取り組んでおり、延べ約2,000人の受診データが蓄積・活用されています。


・本助成金の活用

本助成にて主に(1)地域保健スタッフによる家庭訪問制度創出事業、(2)学生向け健康教育授業におけるプログラムの制度・運営の強化や現地スタッフの人材教育、また新たな地域での試験的導入を目指します。さらにASHA提携先のカトマンズ大学と連携して事業の効果測定を行っていきます。



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