事業内容
ASHA Nepal Project
“ASHA Nepal Project”はASHAの前身の任意団体時代から行っている主力事業です。
設立者・サッキャの母国ネパールを対象として、医療資源が不足する地方において、ITとコミュニティの力を活用した医療アクセス改善に取り組んでいます。
私たちが目指すネパールでの理想の地域医療
① コミュニティヘルスワーカーによるスマホアプリを使った訪問問診
②医療機関で診断を受けたら電子カルテとして情報を管理
③ ①と②のデータを統合して一括で管理
④ 統計から分かる地域にあった医療を提供
① コミュニティヘルスワーカーによるスマホアプリを使った訪問問診
医療へのアクセスが十分でない地域で、コミュニティ内の人材を活用して地域の健康をはかる方法があります。
私たちが開発しているAsha Connectというスマホアプリは、医療従事者以外の方でも簡単に操作でき、用意された問診事項を対象に聞いて、答えを簡単入力するだけで、その対象が医療機関へ行くべきか否かを提案してくれます。
また、入力した情報は全てデータベースに保存され、訪問問診を重ねることで、対象の健康経過を見ることもできます。
②医療機関で診断を受けたら電子カルテとして情報を管理
紙カルテが主流のネパールでは、医療機関でなく患者が自身のカルテを管理するため、様々な問題が起こります。
私たちが開発している電子カルテ用ソフトウェア、ASHA fusion/Nepal EHRは、ITに慣れていない現地の医療従事者でも使えるよう、シンプルで使いやすい設計にデザインされています。
③ ①と②のデータを統合して一括で管理
コミュニティヘルスワーカーが集めた情報と、ASHA fusion/Nepal EHRのデータをソフトウェアが統合します。
このような仕組みがあることで、誰がいつコミュニティヘルスワーカーの問診を受けて、いつ医療機関へ行きどのような診断を受けたかを一目で確認することができます。
医者は、その患者が初診なのか再診なのか、今までどのような診断・治療を受けたかをすぐに把握し、適切な治療を提供できます。
④ 統計から分かる地域にあった医療を提供
ネパールではその地方に適した医療を提供するための、まとまったデータベースがありません。
③でデータを一括管理することで、統計的にその地域に必要な医療が分かり、患者に対してより迅速に適切な医療を提供できるようになります。
取り組むネパールの医療課題
私たちは、ネパールの僻地で慢性的に発生している以下の課題にアプローチしています。
資源不足:医療人材の総数や財源不足から、慢性的な医療人材や物資が不足しています。
地理的アクセスの困難:物理的に山がちな地形のため、医療機関へ行くのも簡単ではありません。
診療記録の欠如:ネパールでは、医療者が記入した紙カルテを患者に渡しているため、医療機関側は、誰がいつ来てどんな診断・治療を受けたかを把握できておらず、目の前の患者の前回の治療を確認する術もありません。
これらにより、物理的にも制度的にも、必要な治療を継続して受けることが厳しい状況が続いているのです。